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息をのむ壮絶な技とスピーディーな試合展開が見る者を圧倒する格闘技番組「K1バイブル'98」。番組中で特に目を引くのが選手の登場シーンだ。だれもいないリングの上に眩い閃光と同時に爆発が起こり、その炎が一瞬にして選手へと変わるのである。
まず、リング上にだれもいない映像(空舞台)がなかったので、リングから人物を消すためにHal上でペイントし、「空舞台」をつくる(図1)。レフリーや選手がリングに立った映像、「人物」素材とだれもいないリングの「空舞台」が合成の素材としてプロダクションの美峰にべーカムの形で送られる。美峰ではこれとは別に「爆発」の素材をつくっておく。「爆発」素材は、実際の炎を撮影した映像を基に加工したり、Softimageなどで制作する。ひと言で炎といっても、CGで本物の炎らしく見せるには工夫が必要だ。特に、光という素材はその背景よりも明るくなければならず、かといって不自然になってはいけない。これはもう、実際につくりながら目で見て調節していくしかない。
次にCGセンターから送られた素材をMacintoshのMedia100に取り込みQuickTimeムービーに変換。まず、レフリーの登場シーンをつくる。After
Effects上で、「人物」素材に合わせて「爆発」の炎を人型に変形させる(図2)。人型をつくるには必ずリング上の人物のマスクをつくらなければならない。これは1枚1枚手作業でバックを消していく。人物のマスクができたら、炎を人型に置き換えて変形させる(エフェクトメニュー→“ディストーション”→“置き換えマップ”)。同様に選手の登場シーンの炎も制作する。
合成は「空舞台」を背景にして、この「爆発」が「人物」に変わったように見えるようにする。まず「空舞台」があり、それに「爆発」の炎を合成していく。このときに、選手の登場シーンではより迫力を出すために火の粉や光といった細かい要素を制作し、よりリアルに「爆発」のシーンをつくる(図3)。次に「爆発」の炎が人型に変形したところで、それぞれの「人物」を合成。また、テレビ局で合成するときのために完成した「爆発」のCGのマスク映像をつくつておく(図4)。最後に、仮に合成した映像と爆発だけの映像、マスクの映像を再び Media100上でコンポジットしたものをベーカムに収録し、CGセンターに納品する。
CGセンターでは、このエフェクト「炎」の映像をHal上で素材として試合の映像に合成し(cutメニュー→“clip”→“confirm”)、明るさや爆発が起こる時間などを調整して編集する。
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