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2000.11/
22現在
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MdN/1998年4月号掲載
エンターテイメント界のCG制作/裏舞台と制作テクニック
P.64/P.65
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After Effectsで実写にSFXを合成

美峰
取材・文 板倉剛彦

美峰は、TV局から番組ごと発注されるポストプロダクションとは違い、CGエフェクトシーンのみを制作するクリエイター集団。アニメの背景画をはじめ、TV、CM、ゲーム、ビデオ、映画などのSFXまでこなす。おもにMacintoshで行われるSFX制作の現場を紹介しよう。
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フジテレビ系列 「奇跡体験!アンビリバボー」より00

 フジテレビCGセンターとの仕事が多い美峰。「SMAPxSMAP」のCGも制作している。そんな彼らがおもに使用するのは意外にもMacintoshだ。システム構成はMacintoshが20台、SGIのIndyが4台にIndigo2が1台、それにベーカムSPが2台設置されている。おもに使われるソフトとしてはPhotoshop、Illustratorをはじめ、SGIのマシンで3DCGを制作するSoftimageやAlias PowerAnimator、Macintoshで3D制作をするElectric Image、from・Zなど。そしてムービーの合成を行うAfter Effectsだ。ビデオの映像をノンリニアで編集するMacintosh上のシステムであるMedia100も重要な役割を果たしている。
 スタッフはプロデューサーが1名、ディレクターが1名、CGデザイナーが9名であり、そのうち5人がSGIのマシンを扱う。あとのスタッフがつねに社内で作業をしていられるように、プロデューサーだけが外に打ち合わせなどに行くという。

SFXのワークフロー

 SFXの仕事の流れとしては、フジテレビCGセンターとのやりとりを例に説明すると以下のようになる。まずCGセンターから素材となるベーカムテープがバイク便で届く。打ち合わせはおもに電話とファックスで行う。これは今まで何度も一緒に仕事をして信頼関係が確立されているからこそできる。したがって絵コンテもファックスで送られてくる。
 次に、ベーカムの映像素材をMacintoshのMedia100のファイルに読み込んでQuickTimeに変換し、After Effectsで合成などの加工をする。素材が静止画の場合はPhotoshopを使い、3DCGなどMacintosh以上の作業を要求されるものは当然IndyやIndigo2といったハイエンドマシンを使う。こうしてコンポジットしたものを再びMedia100のファイルに呼び込んでベーカムに収録しCGセンターに納品する。


美峰の目指すもの

 もちろん派手なSFXばかりにデジタル技術を使っているわけではない。アニメの背景にもデジタル処理は使われている。TV番組や映画の特殊効果とアニメの背景、従来の制作体制から見れば、役割の違う分担作業である。デジタルを導入することで、この異なるふたつの仕事をこなす美峰の目指すところは映画。SFX映画におけるCGスーパーバイザーとなることが目標だという。また、先月にはCD−ROM素材集「アニメの素」シリーズの第2弾「基盤の素」、第3弾「グロテスクの素」(各5,980円)、および「アニメ背景」全8シリーズ(各4,980円)を発表した。美峰の両方のデジタル技術を生かしたクオリティの高い作品が収録されている。これからもさまざまな形でその技術を発揮していくことだろう。



フジテレビ系列 木曜の怪談「サイボーグ」より


フジテレビ系列 「突撃!
お笑い風林火山」より
(c)フジテレビ イースト

フジテレビ系列 「奇跡体験!
アンビリバボー」より


美峰(http://WWW.dtinet.or.jp/~bihou/)は、アニメの背景画を描くフリーの美術スタッフが集まって1992年に創立したプロダクション。当初からPhotoshopで背景画を描こうとMacを導入。現在放送中の「女神の天秤」、「スーパーナイト」などのオープニンクなども手がけている 。


お話をうかがったプロデューサーの岩本浩司氏。たったひとりで営業から打ち合わせなどをこなす


背景画の3D化

 美峰の得意とするデジタル処理にアニメの3D背景画ムービーがある。まず紙にポスターカラーを使って背景となる絵を手描きで描く。この絵をスキャナで取り込み2Dのデータに変換する。次に、Photoshopを使って動きに対して足りない部分を絵コンテに沿って描き加える。
 絵が完成したら、背景画を基にSoftimageやElectric Imageで3Dのモデルをつくる。このモデルというのは、たとえばビルの絵が描かれている場合、3Dソフトでそのビルの形に合わせてモデリングしたオブジェクトのことをいう。木が描かれていれば、その木に合わせた3Dの柱ということになる。これらの3Dモデルを背景画と同じように配置し、背景画をマッピングしていく。そして、絵コンテに沿ってカメラワークや光度、映り込みなどの細かい設定をしたあとにレンダリングし、ムービーにする。簡単にいってしまえば、手描きのイラストを2Dのテクスチャ扱いにするわけだ。3D化することで奥行きのある背景になるし、キャラクターの動きに合わせて背景も動かすことが可能だ。ある程度の回り込みができるようになる。
 さらにAfter EffectsやAlias PowerAnimatorで光や影のエフェクトを加え合成することが可能だ。つまりビルの回り込みと一緒に、その奥にある背景も動かせるということ。ただAlias PowerAnimatorを使うと時間がかかるので、After Effectsの方が効率的だそうだ。静止画よりも奥行きがあり、リアルな光の表現が可能になる。


3D化された背景画の映像。After Effectsで
まぶしい太陽の逆光を表現

3D化された背景画の映像。After Effectsで
差し込む大量の光と窓枠の影を表現している


人物をリアルに合成

 美峰のSFXはどのようにしてつくられるのか?「奇跡体験!アンビリバボー」で臨死体験を特集したときに使われた合成カットを見てみよう。まず野外で撮影された「川辺に立つ男性」の映像と、「グリーンバックで1人ずつ撮影された人物たち」の映像を、それぞれMedia100に読み込んでQuickTimeに変換する(図1)。
 After Effectsに先ほどのQuickTimeファイルを読み込み「グリーンバックで撮影した人物」の映像を、エフェクトメニューの“キーイング”→“色範囲”や“混合色抑制”でマスク抜きをする。次に、グリーンバックの色調を選択して削るのだが、そのとき同じ色調である洋服の一部も一緒に削れてしまうので、削れた部分を“混合色抑制”で補正する。たとえばバックが黒いときなどはエフェクトメニュー→“カラーキー”や“シニアカラーキー”を使うなど、その素材に合わせた方法でマスク抜きを行う(図2)。
 マスクで抜いた人物をそれぞれ野外撮影の映像のコンポにドラッグ&ドロップし、時間軸を設定して各素材の合成するタイミングを決めていく。全部の素材をスタート0秒から重ねれば、始まりと同時にすべての素材が合成されたムービーができあがるし、各素材を1秒ずつずらしながら重ねれば、ムービー開始から1秒ごとに次々と素材が合成されていく。 もちろん重ねた素材を途中で取り去ることもできる。
 臨死体験の映像では、神秘的な雰囲気を出すために重ねる人物の色をエフェクトメニュー→“画像制御”→“カラーバランス”で調節する。そして、Photoshopの影のつくり方と同様にマスクで抜いた人物サイズを大きく変形させ、変形させた部分を暗く着色してから人物のバックに重ね、「影」をつくる。さらにAlias PowerAnimatorで作成した「光」の映像を合成している(図3)。
 こうして合成が完成したムービーは、再びMedia100を使ってビデオ信号に変換されベーカムに収録して完成となる。また、「光」などの細かい修正や合成のレンダリングにかかる時間や、素材によっても異なるが、このような合成カットをつくるのは遅くて2日で2、3カット、早くて1日で2、3カットが限界なのだそうだ。


図1 
Media100に下の素材映像を取り込む

図2 
After Effectsで各人物映像を合成

図3 
After Effects上でAlias
PowerAnimator で制作した
光の映像を合成

素材

合成前

合成後

合成前

合成後

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